産後パパ育休の申請手続き|5ステップで完了する対応ガイド

産後パパ育休の申請手続き|5ステップで完了する対応ガイド 採用・定着
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「産後パパ育休を取りたいと社員に言われたけど、何をすればいいんだろう」——初めてそう感じた瞬間、どこから手をつければいいかわからず戸惑う方は少なくありません。2022年の育児・介護休業法改正で新設された産後パパ育休(出生時育児休業)は、従来の育児休業とは申出期限も手続きの流れも異なります。ハローワーク・年金事務所・社内の三方向にまたがる手続きを、抜け漏れなく期限内に完了させるためには、全体のタイムラインを把握しておくことが何より重要です。この記事では、社員から申出を受けた瞬間から給付金請求が完了するまでの手続きを、5つのステップに整理してわかりやすく解説します。

産後パパ育休とは何か:従来の育児休業との違い

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に最大28日間取得できる制度で、2022年10月の育児・介護休業法改正で新設されました。従来の育児休業とは対象期間・申出期限・就業可否の点で明確に異なるため、まず両者の違いを整理しておくことが手続きミスを防ぐ第一歩です。

制度の基本スペックを確認する

産後パパ育休の正式名称は「出生時育児休業」(育児・介護休業法第9条の2)です。対象となるのは父親(男性労働者)で、子の出生後8週間以内の期間中に、最大28日間の休業を取得できます。2回まで分割して取得できますが、分割取得を希望する場合は申出時にあらかじめ分割して申し出る必要があります。また、労使協定を締結している場合に限り、本人が合意した範囲で休業中に就業することも可能です。

従来の育児休業と何が違うのか

手続きで特に混乱しやすいのが、申出期限の違いです。従来の育児休業は休業開始の1か月前までに申し出る必要がありますが、産後パパ育休は原則2週間前までと短縮されています。これは出産日が確定してから申し出ることを想定した設計です。以下に主な違いをまとめます。

項目 産後パパ育休 育児休業(通常)
対象期間 出生後8週間以内 原則子が1歳まで
申出期限 休業開始2週間前まで 休業開始1か月前まで
分割取得 2回まで可(事前申出が必要) 2回まで可
休業中の就業 労使協定があれば可 原則不可

就業規則・育児休業規程が整備されていない場合

専任人事のいない中小企業では「社員から申出があったが、育児休業規程がまだない」というケースも起こりえます。法律上、産後パパ育休は法定の権利であるため、規程が未整備でも社員の取得を拒むことはできません。規程整備と並行して、まず目の前の申出への対応を進めることが優先です。規程の整備は取得前後に進めながら、次回以降の対応に備えましょう。

社員から申出を受けたときの社内対応

社員から産後パパ育休の申出を受けたら、まず申出内容を書面で確認し、休業期間・分割の有無・就業希望の有無を整理します。この段階での確認が、その後のハローワーク・年金事務所への申請を正確に進める土台になります。

申出の受付と確認事項

社員は休業開始予定日の2週間前までに、書面(または会社が認める方法)で申し出る必要があります。会社側は申出を受けたら、以下の点を確認します。

  • 休業開始日・終了予定日(8週間以内・最大28日以内であるか)
  • 分割取得を希望するか(第1回・第2回それぞれの期間)
  • 休業中の就業を希望するか(労使協定がある場合のみ対象)
  • 出生予定日または出生日(受給要件の確認に必要)

会社から社員へ交付する書類

法律上、会社が社員に承諾書を交付する義務はありませんが、「申出を確認した」という記録を残すために交付しておくことを強くおすすめします。後々「申し出たのに受け付けてもらえなかった」というトラブルを防ぐためにも、受付日・休業期間を記載した確認書を双方で保管しておきましょう。

賃金台帳・出勤簿の整理

育児休業給付金の申請には、休業開始前の賃金実績が必要です。申出を受けた時点で、賃金台帳と出勤簿(タイムカード等)が最新の状態で整理されているか確認しておきましょう。特に給与計算を外部の社労士や給与計算代行に委託している場合は、休業スケジュールを早めに共有しておくとスムーズです。

社会保険料免除の届出:年金事務所への手続き

育児休業中は、健康保険料・厚生年金保険料が本人・会社ともに免除されます。ただしこの免除は自動的に適用されるわけではなく、会社が申請しなければ免除を受けられません。申請漏れは会社・社員双方に不利益が生じるため、必ず対応してください。

免除の根拠と申請先

社会保険料免除の根拠は健康保険法第159条および厚生年金保険法第81条の2です。申請先は、会社が加入している健康保険の種類によって異なります。協会けんぽ加入の場合は日本年金機構(年金事務所)へ、健康保険組合に加入している場合は各健康保険組合へ「育児休業等取得者申出書(新規・延長)」を提出します。

提出タイミングと注意点

提出のタイミングは「育児休業が開始された月内、または翌月末まで」が目安です。産後パパ育休のように短期間(数日〜数週間)の休業でも免除の対象になります。ただし、月をまたぐかどうかによって免除の適用月数が変わる場合があるため、休業期間が確定した段階でなるべく早めに提出するのが得策です。提出が遅れても翌月末までは受け付けてもらえますが、余裕を持って動くことを心がけましょう。

育児休業給付金の申請:ハローワークへの手続き

育児休業給付金(雇用保険)の申請は、ハローワークに対して行います。初回申請では賃金月額証明書の同時提出が必要になるため、準備書類が複数ある点に注意が必要です。申請は会社(事業主)が代行して行うのが原則です。

受給要件を社員に説明できるようにする

社員から「給付金はもらえますか?」と聞かれたときに、以下の要件を確認してください。雇用保険の被保険者であること、そして休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または就労時間が80時間以上)ある月が12か月以上あることが必要です。入社間もない社員や短時間勤務の社員は要件を満たさない場合があるため、早めに確認しておきましょう。

支給額の計算方法

支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」が基本です(休業開始から通算180日まで)。産後パパ育休は最大28日間であるため、原則として180日以内に収まり、全期間67%相当の給付金を受け取ることができます。なお、休業中に就業して賃金が支払われた場合は、支給額が調整される場合があります。

申請書類と提出タイミング

必要書類は以下のとおりです。まず初回申請時には「育児休業給付金支給申請書」と「被保険者休業開始時賃金月額証明書」の2点を同時にハローワークへ提出します。提出期限は休業終了日の翌日から2か月以内ですが、実務上は休業終了後すみやかに動くことで余裕を持って対応できます。社会保険労務士に手続きを委任している場合は、休業スケジュールを事前に共有しておくことで、申請のタイミングを逃さずに済みます。

手続き全体のスケジュールを把握する

産後パパ育休の手続きは、社内対応・年金事務所・ハローワークの三方向が時系列で連動して進みます。全体像を把握しておくことで、抜け漏れや期限超過を防ぐことができます。

申出から給付金受取までの流れ

まず社員が休業開始の2週間前までに申し出ます。会社は申出内容を確認し、賃金台帳・出勤簿を整理します。次に休業が始まったら、速やかに年金事務所へ社会保険料免除の届出を行います(遅くとも翌月末まで)。休業が終了したら、ハローワークへ育児休業給付金支給申請書と賃金月額証明書を提出します(休業終了翌日から2か月以内)。この三つの対応を漏れなく行うことで、社員が給付金と保険料免除の両方を正しく受け取れます。

チェックリストとして持つべき5つのステップ

  • 申出の受付・書面確認(休業開始2週間前まで)
  • 社内書類の整備(賃金台帳・出勤簿・確認書の交付)
  • 年金事務所への社会保険料免除届出(休業開始月中〜翌月末)
  • ハローワークへの給付金申請(休業終了翌日から2か月以内)
  • 給付金受取・記録保管(対応完了の確認)

初めてのケースで判断に迷ったら

産後パパ育休に限らず、育児休業の手続きは会社の規模や社員の雇用形態によって対応が変わる場面が出てきます。「この場合は対象になるのか」「規程がないまま進めていいのか」という判断に迷ったときは、一人で抱え込まず、社会保険労務士や専門家に相談することで余計なリスクを避けられます。特に初めてのケースでは、一度プロの目で確認してもらうだけで安心感が大きく変わります。

まとめ

産後パパ育休の手続きは、社内での申出受付・社会保険料免除の届出(年金事務所)・育児休業給付金の申請(ハローワーク)という三つの対応が時系列で連動しています。申出期限(休業開始2週間前)を起点に、各窓口への提出期限を把握しておくことが、抜け漏れなく対応するための要です。専任人事がいない環境では、全体像の把握と期限管理が特に重要になります。ウェルセンス株式会社では、産後パパ育休をはじめとする育児休業の手続きサポートから、就業規則・育児休業規程の整備支援まで、中小企業の人事担当者が抱える実務的な悩みに対応しています。「自社の対応が合っているか確認したい」「初めてで何から手をつければいいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. 産後パパ育休は、育児休業とまとめて取得できますか?

A. はい、取得できます。産後パパ育休(出生後8週間以内・最大28日)を取得した後に、続けて通常の育児休業(子が1歳まで)を取得することが可能です。それぞれ手続きが異なるため、申出のタイミングと提出書類を別々に管理する必要があります。

Q. 社員が2週間前を切ってから申し出てきた場合、会社は断れますか?

A. 原則として、申出期限(2週間前)を過ぎた場合、会社は休業開始日を申出日から2週間後の日に変更することができます(育児・介護休業法第9条の3)。ただし、取得そのものを拒むことはできません。出産が早まるなど緊急のケースも考慮し、柔軟に対応することが望ましいです。

Q. 育児休業給付金の申請を忘れていた場合、後から申請できますか?

A. 申請期限(休業終了翌日から2か月以内)を超えてしまった場合でも、2年以内であれば申請できる場合があります。ただし、期限超過の理由によっては給付を受けられないケースもあるため、気づいた時点で速やかにハローワークに相談することをおすすめします。

Q. 社会保険料の免除は、数日間の産後パパ育休でも適用されますか?

A. 適用されます。ただし、月をまたがない短期間の休業(例:同一月内のみ)の場合、免除の対象月が変わる場合があります。また、2022年10月以降は月末をまたぐ育児休業や月内に14日以上の休業がある場合に免除が適用される要件が整備されています。詳細は年金事務所または社会保険労務士に確認することをおすすめします。

Q. 育児休業規程がない場合、産後パパ育休の申出を受け付けることはできますか?

A. 規程がなくても、産後パパ育休は法律上の権利であるため、社員の取得を拒むことはできません。まずは目の前の申出に対応しながら、並行して育児休業規程の整備を進めることが現実的な対応です。規程の作成は社会保険労務士に依頼すると効率的です。

【監修】ウェルセンス株式会社
ウェルセンスは、メンタル不調者対応・休職復職支援に強い職場メンタルケアサービスです。産業医・保健師・心理士・社労士などの専門家ネットワークが、人事・管理職だけでは判断しづらいケースの初動対応、専門家連携、再発防止まで支援します。

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