外国人採用の在留資格確認、何をすればいい?

外国人採用の在留資格確認、何をすればいい? コンプライアンス
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外国人スタッフを採用したとき、「在留カードを見せてもらってコピーを取った。これで大丈夫だろう」と思っていませんか。実は、確認すべき項目・保存すべき書類採用後の継続管理まで、やるべきことは意外と多岐にわたります。知らなかったでは済まされないリスクもあるため、この記事で実務の手順を整理しておきましょう。

在留カードで確認すべき3つのポイント

表面で見るべき項目

在留カードの表面には、在留資格の種類・在留期限・就労制限の有無が記載されています。「就労制限なし」と記載されていれば、業務内容にかかわらず雇用できます。一方、「就労不可」と書かれている場合は原則として採用できません。「在留資格:技術・人文知識・国際業務」のように資格名が書かれているケースは、対応する業務範囲に限り就労が可能です。

まず最初に表面を確認し、在留期限の日付と就労制限の欄を必ずチェックしてください。

裏面で見るべき項目

裏面には「資格外活動許可」の有無と条件が記載されています。留学生アルバイトを採用する場合、ここに「週28時間以内」などの条件が明記されているはずです。裏面を見ずに「表面だけ確認した」という状態では、確認が不十分とみなされるリスクがあります。在留資格確認では必ず表裏両面をコピーしてください。

偽造カードの見分け方

在留カードにはICチップとホログラムが埋め込まれており、偽造品はフォントのにじみやホログラムのずれが生じやすいという特徴があります。法務省が提供する「在留カード等番号失効情報照会」サービスを使えば、カード番号の有効性をオンラインで無料確認できます。さらに、スマートフォンアプリ「在留カードリーダー」でICチップを読み取れば、情報の真偽を機械的に判定することも可能です。採用者が増えてきた企業では、こうしたツールの活用を仕組みに組み込んでおくことをおすすめします。

就労できる在留資格の種類と見分け方

業務制限がある「就労目的ビザ」

「技術・人文知識・国際業務」「介護」「特定技能1号・2号」などは就労目的の在留資格です。これらは、資格に対応する業務範囲に限定して就労が認められています。たとえば「技術・人文知識・国際業務」で採用したエンジニアに、単純作業の工場ラインを担当させることは認められません。業務内容が資格の範囲から外れていないかを、採用時だけでなく業務内容が変わるタイミングでも確認する必要があります。

業務制限がない「身分・地位系ビザ」

「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」などは、在留資格の種類にかかわらず業務制限がありません。どのような仕事にも就くことができるため、採用側の制限はほぼなく、最も採用しやすい在留資格といえます。ただし、在留期限は存在するため、永住者であっても期限の管理は必要です。

原則就労不可の資格と例外

「留学」「家族滞在」「短期滞在」などは原則として就労できません。ただし、「留学」と「家族滞在」に限っては、入国管理局の許可を受けることで「資格外活動」として就労が認められます。留学生の場合は週28時間以内(長期休暇中は週40時間以内)という上限があります。「短期滞在」や「観光」ビザで入国している外国人を雇用することは、どのような条件下でも認められません。

不法就労助長罪とは何か、会社が負うリスク

「知らなかった」では済まされない理由

入管法第73条の2に定められた「不法就労助長罪」は、雇用主が不法就労を知らなかった場合でも、確認を怠ったと判断されれば処罰の対象になりえます。最大で「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科されるという、非常に重大なリスクです。「採用担当者が確認するのを忘れていた」「人手が足りなくて確認できなかった」という事情は、法的な免責理由にはなりません。

ハローワークへの届出義務も忘れずに

外国人を採用・離職させた際には、労働施策総合推進法に基づいてハローワークへの届出が義務づけられています。採用時・離職時ともに、翌月10日までに届け出る必要があります。この届出を怠った場合は30万円以下の罰金の対象となります。認知度が低く見落とされやすい義務ですが、採用フローに組み込んでルール化しておくことが重要です。

在留期限の継続管理と書類保存のルール

採用後の期限管理を仕組みにする

在留カードには有効期限があり、期限切れの状態で雇用を継続することは不法就労助長罪に問われるリスクがあります。採用時に確認しても、その後の更新状況を継続管理する仕組みがない企業が多く、「気づいたら3ヶ月前に期限が切れていた」という事例も実際に起きています。ExcelやHRシステムで在留期限の管理台帳を作成し、期限の3ヶ月前にアラートが上がる仕組みを作っておきましょう。

なお、在留期限が近づいたタイミングで更新申請が行われた場合、従前の在留期限から2ヶ月間は「みなし在留」として就労継続が認められます。更新申請中であることを本人から書面で確認しておくと安心です。

書類保存のルールと証跡の残し方

在留カードのコピー(表裏両面)は、雇用期間中はもちろん、離職後も3年間保存しておくことが実務上の推奨です。明文化された規定はありませんが、労働関係書類の保存義務(労働基準法第109条)に準じた対応として、多くの専門家が推奨しています。

コピーには「確認日・確認者名」を記載しておくことが重要です。これが「会社として在留資格確認義務を果たした」という証跡になります。確認した日時と担当者名をコピーの余白にスタンプまたは手書きで残す運用を、採用チェックリストに組み込んでおきましょう。

専任人事がいない会社が整備すべき実務フロー

採用時チェックリストで属人化を防ぐ

外国人採用の確認手順を「知っている人だけが対応できる」状態にしておくことは非常に危険です。担当者が変わるたびに確認が抜ける、あるいは新しい担当者が確認方法を知らないまま採用が進んでしまうリスクがあります。在留カードの表裏コピー・就労資格の種類確認・就労制限の有無・在留期限の台帳登録・ハローワーク届出の実施、これらをまとめた採用チェックリストを整備し、誰が担当しても同じ手順で対応できる体制を作ることが最優先です。

外国人雇用のよくある見落としパターン

実務上よく見られる見落としパターンを以下に示します。まず最初に多いのが、留学生アルバイトの週28時間ルールを知らずにフルタイムで働かせてしまうケースです。次に多いのが、在留カードの表面しかコピーしておらず、資格外活動許可の有無を把握していないケースです。また、採用時には確認したものの、その後の更新状況を一切追っていないために気づかないまま期限切れになるケースも後を絶ちません。これらはいずれも、チェックリストと台帳管理の整備で予防できる問題です。

まとめ

外国人採用における在留資格確認は、「一応カードを見た」では不十分です。在留カードの表裏確認・就労資格の種類と業務範囲の照合・採用後の期限継続管理・ハローワーク届出・書類の保存と証跡の記録、これらを一連の実務フローとして整備することが求められます。不法就労助長罪は「知らなかった」では免責されないため、経営者や兼務人事担当者が仕組みとして対応できる体制を早めに作ることが重要です。

ウェルセンス株式会社では、専任人事がいない中小企業の人事労務体制の整備を支援しています。「外国人採用のチェックリストを作りたい」「在留期限の管理台帳の作り方がわからない」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。実務に即したサポートをご提案します。

よくある質問

Q. 在留カードのコピーは表面だけで大丈夫ですか?

A. 裏面も必ずコピーしてください。裏面には資格外活動許可の有無と条件が記載されており、留学生アルバイトの場合はここに週28時間以内などの就労条件が明記されています。表面だけでは在留資格確認が不十分とみなされるリスクがあります。

Q. 在留期限が切れていることに採用後に気づいた場合、どうすればいいですか?

A. 直ちに就労を停止し、本人に在留期限の状況を確認してください。更新申請中であれば、従前の期限から2ヶ月間はみなし在留として就労継続が認められます。申請もされていない場合は雇用継続を停止し、必要に応じて専門家(社会保険労務士・行政書士)に相談することをおすすめします。

Q. 永住者は在留期限の管理が不要ですか?

A. 永住者も在留カード自体には有効期限(16歳以上は7年)があります。在留資格そのものは永続しますが、在留カードの有効期限が切れている場合は更新手続きが必要です。業務制限はないため就労に問題はありませんが、カードの有効期限は定期的に確認しておくことをおすすめします。

Q. ハローワークへの外国人雇用状況の届出は、いつまでにすればいいですか?

A. 採用時・離職時ともに、翌月10日までにハローワークへ届け出る義務があります。雇用保険の被保険者である外国人は雇用保険の手続きと同時に届出が行われますが、雇用保険の対象外(週20時間未満のアルバイトなど)の場合は別途、外国人雇用状況届出書を提出する必要があります。

Q. 在留カードが本物かどうか、会社で確認できますか?

A. 法務省の「在留カード等番号失効情報照会」サービスをウェブ上で無料利用でき、カード番号の有効性を確認できます。また、スマートフォンアプリ「在留カードリーダー」でICチップを読み取ることで情報の真偽を確認することも可能です。ホログラムやフォントのずれなど、目視での確認と組み合わせて対応することをおすすめします。

【監修】ウェルセンス株式会社
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